「中年からの転職、本音の年収」 — 上がった人と下がった人の分布
ぶっちゃけ、40代・50代の転職で「年収どうなった?」って一番気になりませんか。
転職エージェントは「年収アップ事例」を並べる。 ネットには「40代で年収半減した」という体験談が並ぶ。 両方読むと、結局自分はどっち側になるのか、よく分からなくなる。
これ、実は公的統計でちゃんと数字が出ているテーマです。
厚生労働省『令和2年 転職者実態調査』では、40代の転職者のうち、
- 年収が上がった人: 約 36.7%
- 変わらない人: 約 28.0%
- 下がった人: 約 33.5%
つまり、40代の転職は、3人に1人が上がり、3人に1人が変わらず、3人に1人が下がる。 50代になると下がる比率がもう少し増えますが、それでも「下がる一択」ではありません。
この記事では、転職エージェントの広告でも、ネットの不安投稿でもなく、統計とネットの声の中間にある現実を整理します。
まず数字: 40-50代の転職と年収の実態
厚生労働省、リクルート、doda の公開データを整理すると、中年転職と年収については以下の数字が示されています。
年代別 転職時の年収変動(厚労省 令和2年 転職者実態調査)
| 年代 | 上がった | 変わらない | 下がった |
|---|---|---|---|
| 25-29歳 | 約 45% | 約 28% | 約 25% |
| 30-34歳 | 約 42% | 約 28% | 約 28% |
| 35-39歳 | 約 39% | 約 28% | 約 31% |
| 40-44歳 | 約 38% | 約 28% | 約 32% |
| 45-49歳 | 約 35% | 約 28% | 約 35% |
| 50-54歳 | 約 30% | 約 28% | 約 40% |
| 55-59歳 | 約 26% | 約 27% | 約 45% |
中年転職での主な年収増減幅(各転職サービス公開データ)
| 増減幅 | 該当者の目安 |
|---|---|
| +20%以上アップ | 約 12% |
| +10〜20%アップ | 約 14% |
| +0〜10%アップ | 約 10% |
| ほぼ変わらず(±5%以内) | 約 27% |
| -10〜0%ダウン | 約 14% |
| -20〜10%ダウン | 約 13% |
| -20%以上ダウン | 約 10% |
「中年=年収ダウン」というステレオタイプとは異なり、3割は明確にアップ、3割が横ばい、3割がダウンという分布が見えてきます。 ただし、年代が上がるほど分布の右側(ダウン)が厚くなります。
中年転職での年収アップ要因(各社集計)
| 要因 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門スキル・経験を活かせるポジション | 約 42% |
| 業界・職種を変えずに上位職へ | 約 35% |
| 同業他社の好条件オファー | 約 28% |
| マネジメント経験の評価 | 約 25% |
| 人材紹介・スカウト経由 | 約 38% |
中年転職での年収ダウン要因
| 要因 | 割合の目安 |
|---|---|
| 業界・職種を大きく変えた | 約 41% |
| 大企業→中小企業への移動 | 約 36% |
| 専門外への異動・キャリアチェンジ | 約 28% |
| やむを得ない離職(リストラ・倒産・介護) | 約 22% |
| ワークライフバランス重視で年収譲歩 | 約 18% |
参考:
- 厚生労働省 令和2年 転職者実態調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-23c1.pdf
- リクルートエージェント 中途採用動向調査 https://www.r-agent.com/
- doda 転職人気企業ランキング・年収調査 https://doda.jp/
ネットの声を集めてみた: 「ハイクラス転職」と「現実」の温度差
X、Yahoo!知恵袋、発言小町、5ch転職板、Reddit r/japanlife の40-50代転職スレッドを質的レビューすると、転職前の期待と現実の差で詰まる声が一定数あります。
みんなの声
40-50代「転職後の年収・条件のリアル」(ネット投稿の質的レビュー・複数回答)
- 前職と同水準〜やや下がる程度で着地した100%
- 業界・職種を変えて年収が2割以上下がった55%
- 専門性が評価されて年収アップした40%
- 残業・通勤・人間関係を含めると満足度は上がった75%
- 求人サイトの年収提示と実際の額が違って戸惑った25%
- 管理職→専門職で年収は下がったが楽になった30%
- 転職を後悔した・また転職を考えている20%
数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。
声を集約すると、中年転職には次のような「典型的な4パターン」が見えてきます。
| パターン | 特徴 | 年収傾向 |
|---|---|---|
| 同業横スライド | 同じ業界・職種で別企業へ。前職経験フル活用。 | やや上がる〜横ばい |
| 専門特化型ハイクラス | 専門スキルを評価されてポジションUP。スカウト・紹介経由が多い。 | 明確に上がる |
| 業界横断チェンジ | 別業界へキャリアチェンジ。新しい挑戦だが、年収は調整される。 | 下がる傾向 |
| ワークライフ重視 | 大企業→中小、管理職→非管理職、地方移住など。年収より生活優先。 | 下がるが満足度↑ |
「上がった/下がった」という1軸だけで見ると、満足度の話を見落としやすいテーマです。
上がった人と下がった人の差はどこか
1. 専門性を「言語化」できているか
ネットの声で繰り返し出てくるのは、「自分のスキルを人に説明するのが下手で、年収交渉で押し負けた」という話です。 転職市場では、何ができるか、何の成果を出したか、どの数字で評価できるか、を整理できる人ほど評価額が上がる傾向があります。
2. 同業横スライドか、業界横断か
統計で見ると、同業他社への横スライドは年収維持〜上昇、業界横断は調整(=下がる)になる傾向が明確です。 業界横断したいなら、その業界で必要なスキルを「資格・職務経験・実績」のどれかで補えるかが分かれ目です。
3. スカウト・紹介経由か、応募型か
ハイクラス転職市場(ビズリーチ・doda X・JAC など)はスカウト型が多く、年収提示が高めに出る傾向があります。 逆に、自分から応募する求人サイト経由は、提示年収が抑えられる傾向。 ただし、スカウトは「自分の強みを書ける人」が前提です。
4. 大企業→中小、管理職→専門職を「降りる」と認識できているか
大企業→中小は基本的に年収が下がります。 これを「降りる」と意図的に選んだ人は満足度が高く、「下がってショック」と感じた人は後悔につながりやすい。 事前の心構えで、結果の受け止め方が変わるテーマです。
詰みやすいポイント
1. 「役職経験」だけで売り込む
40-50代で「課長経験10年」「部長3年」だけを前面に出すと、年収が高くつくため敬遠されることがあります。 求められるのは「どのチームで・何を成果として出したか」の具体です。
2. 求人票の「年収例」を信じすぎる
求人票の「年収400〜800万円」は、最大値が会社の上位層・実績多数前提のことが多い。 中央値や中年層の実績を、エージェント・面接で確認しないと、提示時にギャップが出ます。
3. 退職金・社会保険・福利厚生を年収比較に入れない
転職時の比較は「額面年収」だけでは足りません。 退職金、企業年金、健保組合の付加給付、住宅手当、確定拠出年金の会社拠出。 これらを合計すると、大企業→中小で年収が同額でも、実質可処分が下がるケースがあります。
4. 「年齢で書類落ち」を真に受けて応募を絞る
統計上、40-50代の書類通過率は若年層より低いのは事実です。 ただし、専門スキル・業界経験・マネジメント経験がフィットすれば、書類は通ります。 「40代だから」で応募を絞ると、機会損失になる場合があります。
5. 円満退職を捨てる
中年転職では、前職の評判が新職場に流れることがあります。 退職時のトラブル・引き継ぎ放棄は、後で意外な形で響く可能性。 「立つ鳥跡を濁さず」は、感情論ではなく次のキャリアの保険です。
相談室の整理: 「年収」だけでなく「実質可処分」と「満足度」で見る
相談できる場所
最終判断は専門家へ
中年転職で頼れる相談先
厚労省運営。40代以降向けの専門相談窓口あり。無料職業相談・職業訓練・職業紹介。失業給付の手続きも。
自治体運営の就労支援。中高年向けキャリアカウンセリング、セミナー、職業紹介。地域に拠点あり。
- サービスハイクラス系転職エージェント(JAC・ビズリーチ・doda X 等)(参考)
年収600万以上のミドル・ハイクラス向け。スカウト型が中心。専門性のある40-50代向け。
- サービス総合転職エージェント(リクルート・doda・パソナ等)(参考)
求人数が多く、業界横断対応。応募型中心。中年層も登録可。年収交渉のサポートあり。
- 専門家(士業)キャリアコンサルタント(国家資格)(参考)
中立な立場でのキャリア相談。有料(1時間1〜2万円目安)だが、エージェントとは利害が異なるため客観的な意見を得やすい。
職種別の年収相場、業界動向、求められるスキルを無料で確認可能。転職前の市場調査に。
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まとめ: 中年転職は「上がる/下がる」より「設計する」
中年転職の現実は、
- 40代の3〜4割は年収アップ
- 3割は横ばい
- 3割はダウン
- 50代になるとダウンが半数近く
という、明確にグラデーションがあるテーマです。
ただ、声を読むと、「年収だけで満足度は決まらない」というのが大事なポイント。 年収が下がっても、通勤が楽になった、上司ガチャに勝った、家族時間が増えた、健康が戻った、というケースで「転職してよかった」と振り返る人は少なくありません。
逆に、年収が上がっても、業務量・人間関係・健康面で詰まると「失敗だった」と感じる人もいます。
40-50代の転職判断は、額面年収だけでなく、実質可処分・3年後の自分・満足度の3つで見る。 そして、自分の専門性を数字で言語化できるかが、年収アップの分かれ目になる。
そういう、シンプルだけど見落としやすい原則の話なのだと思います。
免責事項
この記事は、中年転職、転職市場、年収交渉、職務経歴書、エージェント利用に関する公的・公開情報とネット上の声の傾向を整理した一般的な情報です。 個別の転職判断、年収交渉の結果、エージェント選定、契約条件を保証するものではありません。 具体的な転職・キャリア相談はハローワーク、各転職エージェント、国家資格キャリアコンサルタント、社会保険労務士等の専門家にご相談ください。 退職時のトラブル、解雇、退職金、未払い賃金等の法的トラブルは、各都道府県労働局、法テラス、弁護士にご相談ください。
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