配偶者に、本当の貯金額を言っていない人
ぶっちゃけ、配偶者に本当の貯金額を、一円単位までは言っていない人は、思っているより多いです。
夫婦なのに、自分の口座の本当の残高は伝えていない。少し多めに「これくらい」と丸めて言っている。あるいは、自分名義のへそくり口座が一つだけある。給料の手取りを、実際より少し低く申告している。ボーナスの一部を、相手に言わないままよけている。
そういう「ちょっとした隠し」を抱えたまま、毎日ふつうに食卓を囲んでいる人は、決して珍しくありません。
「これは裏切りなんだろうか」「いつかバレたら、信頼を失うんじゃないか」「でも、全部オープンにするのは、なんだか怖い」——そう思いながら、結局、今日も言えないままになっている。
この記事は、「夫婦は全部オープンにすべき」とも「隠すのが正解」とも言いません。誰が正しいかを決める記事ではなく、似た場面で揺れている人が、自分の立ち位置を整理するための記事です。
この話が、人に言いにくい理由
お金の話は、ただでさえ口に出しにくいテーマです。そこに「配偶者に隠している」が乗ると、後ろめたさが二重になります。
友達に「貯金、旦那に正確には言ってないんだよね」と打ち明けたら、引かれるかもしれない。「えっ、夫婦なのに?」と言われるのが怖い。かといって、隠していることを誰にも相談できないと、自分の中だけでぐるぐるしてしまう。
だから、この悩みは表に出にくいのです。出にくいだけで、抱えている人はあちこちにいます。
公開投稿や相談事例で、よく見る声
統計ではありませんが、お金や夫婦の悩みをめぐる公開投稿を読んだ範囲では、似た声が繰り返し見られます。
「専業主婦で、自分の自由になるお金がないから、独身時代の貯金は言っていない」 「相手が浪費家なので、正直に言うと使われてしまいそうで、別口座にしている」 「離婚を考えているわけではないけれど、何かあった時のために、少しは自分の手元に残しておきたい」 「単純に、聞かれたことがないから言っていないだけ」
(編集部メモ: これは公開投稿を読んだ範囲で目立った声であり、統計ではありません。)
公的機関の相談窓口でも、夫婦のお金をめぐる行き違いは、実際に持ち込まれることのあるテーマです。一つの家庭だけの問題に見えて、似た構造はあちこちにあります。
立場別に整理してみる
ひとことで「貯金を言っていない」と言っても、中身はかなり違います。
A 生活防衛型 — 相手の浪費や、将来の不安に備えて、自分の手元に残しておきたい人。 B 自由確保型 — 自分が自由に使えるお金を、少しは持っておきたい人。 C 距離確保型 — 何かあった時のために、経済的な逃げ場を残しておきたい人。 D なんとなく型 — 隠す意図はなく、ただ聞かれないから言っていないだけの人。 E 罪悪感型 — 隠していること自体に、ずっと後ろめたさを感じている人。
同じ「言っていない」でも、Dの人とCの人とでは、抱えている重さがまったく違います。自分がどこに近いかを見るだけでも、少し整理がつきます。
よくある誤解
「貯金額を言っていない=愛情がない」と結びつけてしまう人がいますが、必ずしもそうとは限りません。
長く連れ添った夫婦でも、財布を完全に一つにしている家庭もあれば、最初から別々の家庭もあります。お金の管理方法と、夫婦の仲の良さは、同じものさしでは測れません。
「黙っている自分は、ずるい人間だ」と感じる必要も、必ずしもありません。経済的な備えを持っておきたいという気持ち自体は、自分を守るための自然な感覚でもあります。
ただし、ここを超えたら整理が必要
価値観の違いと、相談したほうがいい状態は、分けて考えたほうがいいです。
たとえば、こんな場面です。相手にお金の管理を全部握られていて、自分のための数千円すら自由に使えない。レシートを毎回チェックされ、少しでも使うと責められる。働きたいのに働かせてもらえず、お金を理由に逃げ場を奪われている。
こうした状態は、「お金の価値観の違い」ではなく、経済的DVと呼ばれる問題に近いことがあります。その場合は、我慢の問題ではなく、相談先につながったほうが安全です。配偶者暴力相談支援センターや、DV相談ナビ(♯8008)が窓口になります。
逆に、借金を隠している、家計に必要なお金まで黙って持ち出している、という場合は、いずれ生活そのものに影響します。これは早めに、消費生活センターや法テラスなど、お金の相談先に持ち込んだほうがいいテーマです。
編集部の整理
これは一つの正解ではなく、編集部としての提案です。
夫婦のお金を全部オープンにするかどうかに、唯一の正解はありません。全部共有して安心する夫婦もいれば、ある程度の自由口座を持つことで、かえって関係が穏やかになる夫婦もいます。
大事なのは、「隠している」という後ろめたさだけを、一人で抱え続けないことだと思います。後ろめたさが大きいなら、全額を明かすかどうかではなく、「自分にも少し自由になるお金が欲しい」という気持ちのほうを、言葉にしてみる方法もあります。
今日できる、小さい行動
- 自分が A〜E のどれに近いか、心の中でいいので名前をつけてみる
- 「隠している額」ではなく「自由になるお金が欲しい気持ち」を、言葉にする練習をしてみる
- もし後ろめたさが重いなら、信頼できる第三者(FPや家計相談)に、匿名で聞いてみる
全部を一度に決めなくて大丈夫です。今日は、自分の気持ちに名前をつけるだけでも十分です。
このテーマで頼れる相談先
- FP(ファイナンシャルプランナー)・家計相談 — 夫婦のお金の分け方や、将来設計を一緒に整理したいとき。
- 消費生活センター(局番なし188) — 借金や契約など、お金のトラブルが絡むとき。
- 法テラス — 離婚や財産分与など、法律が関わる相談をしたいとき。
- 配偶者暴力相談支援センター・DV相談ナビ(♯8008) — お金を理由に、自由や逃げ場を奪われていると感じるとき。
この記事は、貯金額を配偶者に言わない人を責めるためのものでも、言うべきだと決めるためのものでもありません。同じ場面で揺れた人が、自分の立ち位置を整理するための整理です。
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