同年代、平均貯金額みんな本当はいくら持ってる? — ネットの本音と公的データ
ぶっちゃけ、「平均貯金額」を検索する瞬間って、ちょっと怖いです。
給料日後の夜、ボーナスが出た週末、同窓会の帰り道、結婚式の招待状を見たあと、住宅ローンの相談を受けたあと、子どもの進学先が決まったあと、保険の見直しをしようとしたとき、親の介護の話が出たあと。
「自分、同年代と比べてどうなんだろう」「みんな、本当はいくら持ってるんだろう」「うちだけ足りてないのかな」「平均って言われても、上の人が引き上げてるだけじゃないの?」
そう思って検索窓に「平均貯金額」「同年代 貯金 いくら」「30代 貯金 中央値」「老後 2000万円」と打ち込む。出てくる数字を見て、安心する人もいれば、しんどくなる人もいます。
この記事では、「これだけ貯めろ」と煽りません。「老後2000万円必要」のような不安マーケティング言説とは距離を取ります。貯金がない人を責めません。
公的情報とネット上の声をもとに、同年代の平均貯金額の現実、平均値と中央値の差、年代別の分布の幅、ネットでみんなが本音でどう言っているかを整理します。
結論を先に言うなら、平均貯金額には平均値と中央値があり、その差はかなり大きいです。そして、年代別・世帯構成別の分布はもっとばらつきます。「平均より下=ダメ」ではないし、「平均より上=安心」でもない。自分の生活コストと家族構成に合った貯金リズムを持っているかどうかのほうが、平均との比較より意味があります。
まず現実: 平均値と中央値で景色が全然違う
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年・令和6年)では、二人以上世帯・単身世帯ともに、金融資産保有額の平均値と中央値に大きな差があることが繰り返し示されています。一部の高額保有層が平均値を引き上げるため、「真ん中の世帯」の実感に近いのは中央値のほうです。
総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」でも、二人以上世帯の貯蓄現在高は年代・世帯主の年齢階級によって分布が大きく異なることが報告されています。同じ年代でも、貯蓄ゼロ世帯から数千万円の世帯まで幅が広いのが実態です。
厚生労働省「国民生活基礎調査」では、世帯の生活意識として「苦しい」と答える世帯が一定割合存在しており、貯蓄の有無や額だけでは生活実感を測れないことも示唆されています。
つまり、「平均◯◯万円」という一つの数字に自分を当てはめて落ち込む(あるいは安心する)のは、現実とずれやすいです。
参考:
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/
- 総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」 https://www.stat.go.jp/data/sav/
- 厚生労働省「国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
平均貯金額の話で押さえておきたい3つのズレ
- 平均値と中央値のズレ(平均値は高額保有層に引っ張られる)
- 単身世帯と二人以上世帯のズレ(構成で必要額が違う)
- 「金融資産」と「生活防衛資金」のズレ(投資信託・保険・年金原資まで含めるかで額が変わる)
まず数字: 年代別の平均貯金額・中央値(令和5年度参考)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年度)から、金融資産保有額の年代別データを並べます。預貯金だけでなく株式・投資信託・保険商品・財形・個人年金などを含む「世帯の金融資産」全体の額です。
二人以上世帯(夫婦・親子等)
| 年代 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 20歳代 | 約 214万円 | 約 44万円 |
| 30歳代 | 約 526万円 | 約 200万円 |
| 40歳代 | 約 825万円 | 約 250万円 |
| 50歳代 | 約 1,253万円 | 約 350万円 |
| 60歳代 | 約 1,819万円 | 約 700万円 |
| 70歳代 | 約 1,905万円 | 約 800万円 |
単身世帯(一人暮らし)
| 年代 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 20歳代 | 約 121万円 | 約 9万円 |
| 30歳代 | 約 594万円 | 約 100万円 |
| 40歳代 | 約 559万円 | 約 47万円 |
| 50歳代 | 約 1,391万円 | 約 80万円 |
| 60歳代 | 約 1,468万円 | 約 210万円 |
| 70歳代 | 約 1,529万円 | 約 500万円 |
数字を見ると、ほぼ全年代で 平均値が中央値の2〜10倍 あることがわかります。これは「一部の高額保有層が平均を引き上げている」ためで、「真ん中の人」の実感に近いのは中央値です。たとえば40代二人以上世帯の場合、「平均825万円」と聞くと焦りますが、実際の中央値は約250万円。半数はこれより少ない、ということです。
また、単身世帯の中央値は、二人以上世帯より明らかに低めに出ます。これは「世帯の金融資産」を見ているため、人数が少なくても所得は1人分、というシンプルな構造によるものです。
※上の数字は令和5年度時点。年度・調査回によって変動するので、最新値は金融広報中央委員会 公式サイトで確認してください。預貯金額の単体や、貯蓄ゼロ世帯の割合(20代二人以上世帯で約2〜3割、単身世帯で約4〜5割など)も同サイトで公開されています。
年代別の現実: 同じ年代でも幅が広い
数字だけ並べても、ライフイベントや家族構成で読み方は変わります。年代別の「ざっくりした風景」を言葉で補足します。
20代 収入がまだ安定していない人、奨学金返済中の人、実家暮らしで貯まる人、一人暮らしで貯まりにくい人など、出発点の差が大きい年代です。中央値はかなり低めに出やすく、貯蓄ゼロ世帯の比率も他の年代より高めの傾向があります。
30代 結婚、出産、住宅購入、転職、独立など、ライフイベントが集中して支出が増える年代です。世帯収入は上がる人も多い一方、教育費や住宅ローンが始まり、「貯まる人」と「貯まりにくい人」の差が広がり始めます。
40代 子どもの教育費がピークに近づき、住宅ローンと並走する世帯が多い年代です。収入は上がっていても、自由に使える額は減りがち。中央値と平均値の差がもっとも大きく見える年代の一つで、「平均」と自分の実感がずれやすいです。
50代 教育費がそろそろ終わる世帯、まだ続く世帯、親の介護が始まる世帯と、状況の差が一段と広がります。退職金や年金見込み額を計算し始めて、「足りるのか」と不安になる人が多い年代です。
60代以上 退職金が入って一時的に金融資産が増える人、年金中心の生活に移って取り崩しが始まる人、住宅ローンが終わって支出が下がる人、医療費が増える人など、フェーズによって全然違います。平均値はやや高めに見えますが、これも分布の幅は広いです。
どの年代も共通しているのは、「真ん中の人」と「上位の人」の差が大きいことです。平均だけ見て「自分は遅れている」と判断するのは、現実より自分を低く見積もりがちです。
ネットの声を集めてみた: 「中央値を見て安心した」「比較で疲れた」が両方多い
みんなの声
20〜60代「同年代の平均貯金額を調べたあとの気持ち・行動」(ネット投稿の質的レビュー・複数回答)
- 中央値を見て少し安心した100%
- 貯金がほぼなくて落ち込んだ75%
- 他人と比較してしんどくなった55%
- 平均より上で逆に油断が怖くなった40%
- ボーナスや臨時収入で貯金を増やしている30%
- 給与天引き・自動積立が一番効いた25%
- 住宅・子ども・車で減ったが後悔はしていない20%
- 新NISAやiDeCoなど投資も併用している15%
- 親の介護・医療費を考えると平均は参考にならない10%
数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。
「中央値を見て安心した」と「他人と比較してしんどい」が同じくらい多いのが、このテーマの特徴です。同じ数字を見ても、人によって安心の方向にも、しんどさの方向にも振れます。
貯金額の差を生むもの: 収入だけではない
- 住宅(賃貸か持ち家か、住宅ローンの残債、住む地域の家賃水準)
- 子ども(人数、進学先、私立か公立か、塾や習い事、留学)
- 車(所有台数、地方か都市部か、買い替えサイクル)
- 地域(物価、家賃、公共交通、車必須かどうか)
- 家族構成(共働きか片働きか、扶養家族の数、介護負担)
- 健康(医療費、保険、就業継続できているか)
- 親世帯からの支援(住宅資金援助、相続予定の有無、逆に親の介護費負担)
- 借入(奨学金、教育ローン、リボ残債)
同じ年収でも、上のどれが効いているかで、貯金額は数百万円単位で変わります。「平均より下=家計が下手」ではないし、「平均より上=しっかり者」とも限りません。自分の生活コスト構造を見てから、貯金額を評価するほうが現実的です。
相談室の整理: 中央値で安心しすぎず、平均値で焦りすぎず、自分のリズムを持つ
平均貯金額との比較は、調べた瞬間だけ意味があります。毎週見ても、家計は良くなりません。
克服のリアル: 平均ではなく、自分のリズム
平均貯金額の話は、誰かと比べたくなる話です。でも、比べても貯金は増えません。
増えるのは、毎月のリズムを変えたときです。先取りで自動的に逃がす、固定費を一つ下げる、保険を一回見直す、サブスクを整理する、ボーナスの一部だけ別口座に逃がす。一つひとつは地味ですが、平均との比較より、ずっと効きます。
平均より上か下かより、自分の生活コストに対して、自分のリズムで貯められているか。これだけは、誰とも比べられない自分の指標です。
中央値を見て「自分だけじゃなかった」と思えたなら、それで十分。あとは、自分のリズムに戻ってください。
このテーマで頼れる相談先
最終判断は専門家へ
貯金・家計・老後資金・借入で頼れる相談先
- 専門家(士業)ファイナンシャルプランナー(FP)(参考)
ライフプラン、家計の見直し、教育費、住宅、老後資金、保険の整理を、商品販売とは別に相談したいとき。独立系FP・有料相談を選ぶと中立性が高めです。
- 公的機関金融広報中央委員会(知るぽると)
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毎月赤字、貯金が一向に増えない、固定費を整理したい、家計の優先順位を一緒に考えたいとき。
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当サイトは「相談前の整理」を担う情報メディアです。具体的な意思決定の前には、必ず該当領域の専門家・公的機関にご相談ください。
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まとめ: 平均との比較より、自分のリズムを持つほうが効く
同年代の平均貯金額は、調べた瞬間だけ意味があります。安心するも、しんどくなるも、その一瞬の感情です。
大事なのは、平均値ではなく中央値を見ること。中央値ですら、自分の生活コストや家族構成と切り離せば、たいした意味は持たないこと。そして、緊急予備資金 → 老後資金 → 余力で投資、という順で、自分のリズムを作ること。
「みんないくら持ってる?」を一度確認したら、しばらくは見なくていいと思います。比較より、自動積立を1000円増やすほうが、家計には効きます。
平均より上でも下でも、自分の生活が回っているなら、それは十分に「ちゃんとしている」です。
免責事項
この記事は、家計の貯蓄・金融資産・老後資金・家計管理に関する公的・公開情報とネット上の声の傾向を整理した一般的な情報です。 個別の投資判断、商品の推奨、特定の貯蓄目標額の提示、税務・保険・相続に関する個別アドバイスを行うものではありません。 家計が継続的に赤字である、借入返済が生活を圧迫している、生活費が回らないなどの状況がある場合は、ファイナンシャルプランナー、家計改善カウンセラー、法テラス、日本クレジットカウンセリング協会、市区町村の生活困窮者自立相談支援窓口などにご相談ください。
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相談室の整理だけでは足りない人向けに、関連する書籍と映像作品を置いておきます。
- マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)
クリスチャン・ベール主演。「みんながそう思っている」が崩壊する瞬間を描く。平均貯金額に流されない眼を養う一本。 - ノマドランド (2020)
フランシス・マクドーマンド主演。「貯金ゼロ」の高齢者の旅が、平均という尺度の外でも人生は成り立つことを静かに示す。 - 幸せのちから (2006)
ウィル・スミス主演の実話。所持金30ドルから再起する父子の物語。「平均」の外側にいる時間を肯定する映画。
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