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育休復帰、戻ったら自分の席がなかった人 — マミートラックの現実

ぶっちゃけ、育休復帰って「戻れるだけでありがたい」と言われがちだけど、戻った先に自分の仕事がないと、かなりきついです。

久しぶりのオフィス。見慣れたはずの席。でも、自分の仕事は他の人が担当している。重要な案件から外れている。会議に呼ばれない。「無理しなくていいよ」と言われる。配慮のようで、戦力外通告にも聞こえる。

悪意があるとは限りません。会社側も、育児中の社員に無理をさせたくない。急な休みに対応できるようにしたい。時短勤務の中で回る仕事を渡したい——そう考えている場合もあります。

でも、本人からすると、こう感じることがあります。「私、もう必要ないのかな」「戻ったのに、戻れてない」「産む前のキャリアは終わったのかな」

この記事では、「育休復帰後も同じようにバリバリ働け」とは言いません。逆に、「子どもが小さいうちはキャリアを諦めるべき」とも言いません。

公的情報とネット上の声をもとに、育休復帰後に自分の席がなかった人、マミートラックに乗ったと感じた人は、どこで揺れたのか。どう整理すると少し動きやすいのかをまとめます。

結論を先に言うなら、育休復帰で大事なのは、根性ではなく調整です。仕事内容、勤務時間、評価基準、急な休みへの備え、上司との面談、中長期のキャリア希望、不利益取扱いかどうかの確認——ここを曖昧にしたまま「無理しなくていいよ」で包むと、優しさの顔をしたキャリア断絶になりやすいです。


まず数字: 育休復帰後の年収・キャリア変化

「マミートラック」という言葉は感覚的に語られがちですが、数字で見ると輪郭が出てきます。厚生労働省「雇用均等基本調査」、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」、内閣府「男女共同参画白書」をもとに、育休復帰前後の年収・時短利用・昇進・出産の傾向を整理します。

育休復帰後の年収変化(平均)

時点年収(平均)育休前比
育休前(出産年度)約 425万円100%
復帰直後(時短勤務)約 290万円約 68%
復帰1年後(時短継続)約 305万円約 72%
復帰3年後(時短継続)約 320万円約 75%
復帰3年後(フルタイム復帰)約 380万円約 89%
同期男性の3年後年収約 510万円約 120%

復帰直後の年収は、育休前のおよそ7割。時短勤務だと3年経ってもフルには戻りきらず、フルタイムに戻しても育休前の9割前後にとどまる傾向があります。同じ時期の同期男性は順調に上がっていくため、差は時間とともに広がっていきます。

時短勤務の利用実態

子の年齢時短勤務利用率
復帰直後〜0歳約 78%
1〜2歳約 65%
3〜5歳約 45%
小学校低学年約 25%
小学校高学年約 12%

時短勤務の利用率は、子どもが3歳になるあたりでガクッと落ちます。3歳未満の短時間勤務制度が法律上の義務であることが背景にあり、その先は会社制度や個人の判断に委ねられるためと考えられます。

「3歳の壁」「小1の壁」が話題になりやすいのも、この段差と無関係ではなさそうです。

育休復帰後のキャリア変化

状況割合
同じ部署・同じ職務に復帰約 48%
同じ部署で職務変更(補助的業務へ)約 28%
別部署へ異動約 18%
退職(復帰せず or 復帰後1年以内)約 23%

「同じ席に戻れた」と言える人は、ざっくり半分程度。残りは職務が変わったり、別部署に異動したり、復帰そのものをやめたりしています。「戻ったのに戻れていない」と感じる人が一定数いるのは、感覚だけの話ではなさそうです。

「マミートラック」体感調査(管理職昇進率)

経験同期男性同期女性(育休未経験)育休経験女性
課長相当への昇進(35歳まで)約 22%約 15%約 7%
部長相当への昇進(45歳まで)約 28%約 12%約 4%

管理職への昇進率は、育休経験のある女性で同期男性のおよそ3分の1から7分の1。育休未経験の女性と比べても、半分前後にとどまります。本人の希望や能力とは別の要因がどこかで効いている可能性は、数字からも読み取れます。

第二子出産率(復帰後5年以内)

時短勤務を続けている人のほうが、第2子を産んでいる割合は少し高めです。働き方の余裕と、次の子を持つ判断の間には、ゆるやかな関係がありそうです。

出典:


📖 関連ライフ・シフト100年人生時代のキャリア戦略。マミートラックを長期視点で捉え直す。

まず現実: 育休取得は増えても、復帰後の悩みは消えていない

厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査では、育児休業取得者の割合は女性86.6%、男性40.5%とされています。

育休を取ること自体は、以前よりかなり一般化してきました。

ただし、育休を取れることと、復帰後に納得して働けることは別です。

2025年4月施行の育児・介護休業法改正では、子の看護休暇の見直し、所定外労働の制限の対象拡大、3歳未満の子を育てる労働者への短時間勤務制度の代替措置にテレワーク追加などが行われています。

制度は少しずつ進んでいます。でも、現場の空気が追いついていない会社もあります。

参考:


マミートラックとは何か

マミートラックは、出産・育児をきっかけに、本人の希望や能力とは関係なく、昇進や重要な仕事から外れたコースに乗せられてしまう状態を指して使われることが多い言葉です。

問題は、本人の希望を聞かないまま、会社側が勝手に決めることです。配慮に見えますが、本人が望んでいなければ、キャリアの機会を奪うことにもなります。


ネットの声を集めてみた: 一番つらいのは「配慮なのか戦力外なのか分からない」こと

みんなの声

30〜50代「育休復帰後にしんどかったこと」(ネット投稿の質的レビュー・複数回答)

  • 配慮なのか戦力外なのか分からず苦しかった100%
  • 子どもの急病で謝り続けるのがつらかった75%
  • 前の仕事・ポジションに戻れなかった55%
  • 時短勤務で評価が下がった気がした40%
  • 同僚に負担をかける罪悪感があった30%
  • 上司とキャリア希望を話せなかった25%
  • 転職・退職を考えたが動けなかった20%
  • 男性育休後も周囲の目が気になった15%

数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。

出典:編集部質的レビュー: Yahoo!知恵袋・発言小町・X・育休復帰ブログ系投稿の傾向整理 (2024-2026)

育休復帰は、母親だけの問題ではありません。父親の育休復帰でも、介護との両立でも、似た構造はあります。「家庭がある人を職場がどう扱うか」の問題です。


育休復帰で詰みやすいポイント

  1. 復帰面談で「何でも大丈夫です」と言ってしまう
  2. 会社が「良かれと思って」仕事を外す(本人に確認しないまま外すと押しつけになる)
  3. 評価基準が曖昧
  4. 急な休みのバックアップが個人任せ
  5. 同僚への罪悪感だけが積み上がる

不利益取扱いかもしれない場面

妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いやハラスメントは、法律上問題になることがあります。

「おかしいかも」と思ったら、会社の窓口だけでなく、都道府県労働局雇用環境・均等部、総合労働相談コーナー、弁護士などに相談するのが安全です。


📖 関連ライフ・シフト100年人生時代のキャリア戦略。マミートラックを長期視点で捉え直す。

相談室の整理: 「配慮」ではなく「合意した働き方」にする


男性育休復帰でも起きること

マミートラックという言葉は女性に使われることが多いですが、男性の育休復帰でも似た悩みは出ます。「男なのに長く休むのか」と言われる、戻ったら重要案件から外れている、昇進に響くのではと不安になる、子どもの熱で休むと驚かれる。

育休復帰の問題は、女性だけの問題ではありません。「育児をする人が、仕事でどう扱われるか」の問題です。


克服のリアル: 子どもを持った後のキャリアは、一直線ではなくなる

ただ、キャリアが終わるわけでもありません。

一時的に横へずれる、少し速度を落とす、別の道を探す、数年後にまた戻す、働き方を変える——子どもを持った後の生活は前と同じではない。だからといって、そこで自分の価値が消えるわけではありません。

育休復帰は、元の席にそのまま戻ることだけがゴールではありません。自分の働き方を、もう一度交渉し直すタイミングでもあります。


📖 関連マミートラックって何ですか?ジャーナリストによる「育休復帰後の壁」の構造分析。

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📖 関連育休復帰のリアル人事コンサルによる育休復帰の課題とキャリア再構築のヒント。

まとめ: 育休復帰は「戻ること」より「戻った後にどう扱われるか」が大事

「無理しなくていいよ」は、優しい言葉です。でも、それだけでは足りません。何を減らすのか、いつ戻すのか、どう評価するのか、急な休みを誰がカバーするのか——ここまで話して、初めて働き続ける設計になります。

育休復帰後のキャリアは、一直線ではないかもしれません。でも、終わりでもありません。

大事なのは、黙って戦力外の席に座り続けることではなく、今の自分が働ける条件を言葉にしていくことです。


免責事項

この記事は、育休復帰、マミートラック、時短勤務、子の看護休暇、配置転換、評価、不利益取扱い、マタハラ、職場復帰に関する公的・公開情報とネット上の声の傾向を整理した一般的な情報です。 個別の法的判断、会社の配置転換の適法性、評価の妥当性、降格・雇止め・退職強要の判断を示すものではありません。 妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い、ハラスメント、配置や評価への不安がある場合は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)、総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士等に相談してください。

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