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子どもを産んで後悔した人 — 言ってはいけないと思っていた気持ちの話

ぶっちゃけ、言えない気持ちがあります。

子どもは、かわいい。 本当に、かわいい。

でも、たまに——ほんとうにたまに——こう思う。

「産まなければよかった、と頭をよぎることがある」 「自分だけの人生があったら、どうなっていたか」 「あの子がいなければ、あの夢を諦めなかった」 「こんな毎日が一生続くと思ったら、消えたくなる」

すぐに自己嫌悪が来る。 「最低な親だ」「子どもがかわいそう」「こんなことを思う資格がない」——そうやって自分を責めて、その気持ちをまた押し込む。

でも。 それを「言っちゃいけない気持ち」として抑え続けるだけが、正解とは限らない。

この記事では、「育児後悔」と呼ばれる感情を、否定も肯定もせず、ただ正直に整理します。子どもが嫌いなのではなく、育児後悔を抱えた親が、どこにいて、何を感じていて、どうすれば少し楽になるかを書きます。


📖 関連母親になって後悔してるイスラエルの社会学者による母親の本音調査。「後悔」を語ることの意味。

まず数字: この感情は、あなただけではない

NHK調査と研究者の記録

区分数値・内容
NHK Webアンケートで「後悔を感じたことがある」と答えた人3割
Orna Donath氏が記録した母親の後悔インタビュー23人(イスラエル)

→ NHKのWebアンケートは回答者の属性に偏りがある点に注意が必要ですが、「約3割」という数字は、この感情が一部の人だけのものでないことを示しています。

Orna Donath「Regretting Motherhood」

イスラエルの社会学者Orna Donathが2015年に発表した研究です。「母親になったことを後悔している」と語る母親たちの声を記録したもので、世界的な議論を呼びました。 日本では2022年にNHKクローズアップ現代が特集を組み、書籍化もされました(新潮社)。

彼女の研究が示したことのひとつは、「後悔」と「愛情」は同時に存在するということです。 子どもを愛していながら、「母親・父親という役割に就いたこと」を後悔する——この2つは、矛盾していません。

参考:


📖 関連産まなければよかったフランスの著者による母親の本音論。日本でも翻訳され話題に。

まず整理: 「育児後悔」は何を後悔しているか

「産まなければよかった」という感情には、いくつかの層があります。

具体的な内容
役割への後悔「親という役割が自分に向いていない」「自由がなくなった」
タイミングへの後悔「もう少し後でよかった」「準備が整っていなかった」
環境への後悔「パートナーとの関係が壊れた」「仕事を諦めた」「孤独になった」
自己実現への後悔「あの夢や可能性が消えた」
バーンアウト型「疲れ果てて、一瞬そう思う。普段はそう思わない」

最後の「バーンアウト型」は、特に孤立した育児環境・ワンオペ・睡眠不足が続く親に多く現れます。 この場合、後悔しているのは「子ども」や「親になること」そのものではなく、その育て方・環境・サポートの不足です。


ネットの声を集めてみた

「育児後悔」「産まなければよかった」「子育て 後悔」で公開投稿を読むと、驚くほど多くの人が「ここだから書ける」という前置きをつけて語っています。

みんなの声

「産まなければよかった」という感情を経験した人の声(ネット投稿の質的レビュー)

  • 深夜の授乳中、一瞬ふと思った40%
  • 子どもへの愛情はあるが、役割が自分に合わない25%
  • キャリアや夢を完全に諦めたことへの後悔20%
  • パートナーとの関係が壊れたことへの後悔15%
  • 誰にも言えなくて、一人で抱えてきた75%
  • こう思う自分を「最低な親」と責めた55%
  • 子どもへの態度には出ていない・出したくない100%
  • 育児環境が整ったら楽になった・後悔感が減った30%

数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。

出典:編集部質的レビュー: Yahoo!知恵袋・発言小町・X・Reddit・育児系匿名掲示板の公開投稿(2022-2026年)

「誰にも言えなくて一人で抱えてきた」が7割超。 「子どもへの態度には出していない」が8割近い。

つまり、この感情を持つほとんどの人は、それを表に出さず、子どもへの愛情を行動で示し続けながら、自分の中で一人でずっと苦しんでいるのです。


📖 関連産まなければよかったフランスの著者による母親の本音論。日本でも翻訳され話題に。

「最低な親だ」と思う前に

育児後悔を感じることは、親としての失格を意味しません。

いくつか、整理として。

後悔と愛情は共存する

Donathの研究が示したように、「母親という役割に就いたことを後悔している」と「子どもを愛している」は矛盾しません。 「産まなければよかった」という念は、子どもを傷つけたいという気持ちではありません。多くの場合、それは自分自身の喪失感、疲労、孤立への反応です。

思うことと、行動することは違う

「そう思ってしまった」と「そう行動した」の間には、大きな差があります。 「最悪なことを一瞬考えてしまった」という罪悪感を抱える人の多くは、実際には子どもへの愛情と責任感から、毎日必死に向き合っています。

環境が変わると、気持ちが変わることがある

「育児環境が整ったら後悔感が減った」という声は、ネットに多くあります。 パートナーのサポートが増えた、保育園に入れた、職場復帰した、睡眠が取れるようになった——そういった変化で、後悔の感情が薄れた人は少なくありません。

後悔感が「固定した気持ち」ではなく、環境と疲弊の反応として出ている場合、環境を変えることが一番の対処になります。


📖 関連家族という病家族・母性神話を疑う一冊。後悔を語る土台に。

つらくなってきたとき


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相談できる場所

最終判断は専門家へ

相談先

  • 産後うつ・育児不安・孤立育児への相談窓口。市区町村のHPで「子育て 相談 地域名」で検索

  • 0120-279-338(24時間) — 育児中の感情・孤独・消えたい気持ちも受け付けています

  • 公的機関産後ケア・母子保健相談(保健センター)(参考)

    産後ケア事業は多くの市区町村で利用できます。身体と心の両方の相談を受け付けています

  • 専門家(士業)産婦人科・心療内科(産後うつ外来)(参考)

    育児疲弊・産後うつの治療。「産後うつ 地域名」で専門外来を探せます

  • 虐待ではなく「虐待しそうで怖い」「衝動を抑えるのが苦しい」という段階での相談も受け付けています。電話番号: 189(いちはやく)

当サイトは「相談前の整理」を担う情報メディアです。具体的な意思決定の前には、必ず該当領域の専門家・公的機関にご相談ください。


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まとめ

「産まなければよかった」と頭をよぎることがある。

その言葉だけを切り取ると、とても怖く見えるかもしれません。 自分でも、そんなことを思う自分に傷ついているかもしれません。

でも、その感情が浮かんだことだけで、あなたが最低の親だと決まるわけではありません。

疲弊しきった体。 孤立した育児。 眠れない日々。 消えた自分の時間。 変わってしまったパートナーとの関係。 お金の不安。 誰にも褒められない毎日。

そういうものが積み重なった先に、「もう戻りたい」「逃げたい」「産まなければ違ったのかな」と思ってしまうことがあります。

後悔と愛情は、同時に存在することがあります。 「しんどい」と思うことと、子どもを大切にしたい気持ちは、必ずしも矛盾しません。

ただし、ここだけは分けて考えたいです。

思うことと、子どもを傷つけることは、違います。

もし今、 「手が出そう」 「怒鳴り続けてしまいそう」 「子どもを置いて出ていきたい」 「世話をする気力がない」 「このままだと危ないかもしれない」

そう感じているなら、それは気合いで乗り切る場面ではありません。 親として失格だからではなく、今すぐ人を増やす場面です。

189(いちはやく)、自治体の子育て相談、保健センター、こども家庭センター、よりそいホットライン、心療内科——まずそこにつながってください。匿名でも相談できます。


この記事を読んで、「自分だけじゃなかった」「この気持ちは、誰かに話していいのかもしれない」と少しでも思えたなら、それで十分です。

あなたが今日まで、子どもの安全を守ろうとしてきたこと。 限界の中で、なんとか日々を回してきたこと。 それは、なかったことにはしなくていい。

そして、もう一人で抱えなくていいです。


本記事は育児後悔・産後うつ・育児困難に関する公的情報とネット上の公開投稿をもとに作成しています。本記事は育児後悔を美化・推奨するものでも、否定するものでもありません。子どもへの危害・虐待衝動が生じている場合は、すぐに「189(いちはやく・児童相談所虐待対応ダイヤル)」にご連絡ください。希死念慮が伴う場合は「よりそいホットライン 0120-279-338」または「#いのちSOS 0120-061-338」にご連絡ください。

📚 この記事で気になった人へ — 本と映像のすすめ

相談室の整理だけでは足りない人向けに、関連する書籍と映像作品を置いておきます。

母親になって後悔してる
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この記事のテーマに重なる作品(配信状況は変動)
  • 母性 (2022)
    産むこと・母であることを問い直す重層的な物語。
  • クレイマー、クレイマー (1979)
    親であることの葛藤を描く古典。
  • 万引き家族 (2018)
    是枝裕和監督。「親であること」の意味を問う。
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