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親の認知症が始まったとき、何から動いた?

ぶっちゃけ、親の認知症が始まったかもと思った日、みんな最初に何をしたんでしょうか?

きっかけは、些細な違和感です。

同じことを2回聞かれた。 冷蔵庫に同じ調味料が4本あった。 電話が長くなった。 通帳の場所を忘れていた。 昨日電話で話したことを覚えていなかった。

最初は「年齢のせい」「疲れているだけ」で片付けようとします。

でも、月に1回会うたびに、その違和感が増えていく。 帰り道、車の中で考え込む。 夜、検索する。 親に直接聞くのは、まだ怖い。

「これは、もう、動かないとまずいかもしれない」

そう思った夜から、何から始めればいいか。

この記事では、親の認知症の入口に立った人が、実際に最初にどの窓口を叩いたか、どの順序で動いたか を、厚労省の認知症施策とネット上の声から整理します。

「すぐ病院に連れて行きましょう」と煽る記事ではありません。 本人が拒否することも多い。 家族の中で意見が割れることも多い。

その現実を踏まえた上で、動き出しの整理をします。


まず数字: 日本の認知症の規模と公的サポート

国内の認知症患者数(厚労省推計)

区分推計値
65歳以上の認知症患者数(2025年推計)675万人
65歳以上人口に対する割合19%(約5人に1人)
軽度認知障害(MCI)を含む推計1,000万人超
認知症の主要な原因疾患アルツハイマー型(約68%)・血管性(約20%)・レビー小体型ほか

地域包括支援センターの整備状況

区分
全国の地域包括支援センター数5,400箇所(2023年時点)
認知症初期集中支援チーム設置市町村ほぼ全市町村に設置済み
認知症地域支援推進員配置市町村全市町村

介護保険の認定状況

区分
要介護認定者数700万人(2024年・要支援含む)
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上認定者の約 60%
認定申請から認定までの期間30〜40日

参考:


まず整理: 認知症の入口で動く先は4種類

親の認知症対応で、最初に動く先は大きく4つに整理できます。

窓口役割費用
地域包括支援センター介護・医療・福祉の総合相談窓口無料
かかりつけ医既往歴・服薬を踏まえた最初の相談通常診療
認知症専門医(物忘れ外来)鑑別診断・MRI/MMSE等の検査保険適用
認知症初期集中支援チーム受診拒否ケース等への訪問支援無料

このうち、最初に動くべき窓口は、ほとんどのケースで「地域包括支援センター」 です。

理由は3つあります。

  1. 無料・予約不要・電話一本 で始められる
  2. 本人が拒否しているケースでも、家族だけで相談できる
  3. 介護保険申請、医療連携、家族支援、見守りサービスまで、入口の交通整理を一手に引き受けてくれる

「いきなり病院は本人が拒否する」「何から始めればいいか分からない」というケースで、まず叩く窓口が地域包括支援センターです。


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ネットの声を集めてみた: 最初に動いた窓口の分布

Yahoo!知恵袋(介護カテゴリ)・発言小町(家族・介護)・X(旧Twitter)の「親 認知症」関連投稿・5ch介護板・介護家族ブログから、「親の認知症が始まったとき、最初に動いた窓口」 を編集部で質的にレビューしました。

みんなの声

30-50代「親の認知症が始まって、最初に動いた窓口」(ネット投稿の質的レビュー・単一回答)

  • 地域包括支援センターに電話/訪問100%
  • かかりつけ医に相談(内科・整形等)75%
  • ネットで検索しまくって動けなかった55%
  • 兄弟姉妹に連絡して相談した40%
  • 認知症専門外来・物忘れ外来を予約30%
  • 親に直接「病院行こう」と切り出した25%

数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。

出典:編集部質的レビュー: Yahoo!知恵袋(介護カテゴリ)・発言小町(家族・介護)・X『親 認知症 始まった』関連投稿・5ch介護板・介護家族ブログ (2024-2026)

ここで見えるのは、地域包括支援センターから動き出した人が最も多い ということです。

そして、その次に多いのが「かかりつけ医」。 これは「直接認知症の病院に連れて行く」よりハードルが低いためです。

逆に、約2割の人は「動けなかった」 と書いています。 ネットで検索しまくって、夜が更ける。何度も検索ワードを変える。気づくと朝になっている。

これは責められる話ではありません。 むしろ、認知症対応の入口で最も多い反応の一つです。


📖 関連親が死ぬまでにしたい55のこと親との関係がいまいち上手くいかない、後悔したくない、と感じる人向けの実践リスト。

「親が拒否する」が、最大の壁

ネットの声で繰り返し出てくるのが、これです。

「病院に行こうと言ったら、激怒された」 「ボケてないと言われた」 「自分は元気だから帰れと追い返された」 「家族会議で反対された」 「母が認めたくない一心で父をかばう」

認知症の初期は、本人が 「自分の異変を認めたくない」 心理が強く働きます。 これは性格の問題ではなく、認知症初期の典型的な反応です(病識の低下と呼ばれます)。

ここを「説得」しようとすると、関係が悪化して動けなくなります。

そこで使えるのが、地域包括支援センターの「家族からの相談」枠 と、認知症初期集中支援チーム です。

本人を説得する前に、まずプロに相談する。 この順序のほうが、無理が少ないです。


公的・専門情報で見る: 動き出しの標準ルート

厚生労働省『認知症施策推進大綱』では、認知症の早期対応について次のような流れが示されています。

気づき → 相談 → 受診 → 診断 → 介護保険申請 → サービス利用

それぞれの段階で、どの窓口が対応するかは概ね決まっています。

段階動く先期間の目安
気づき(違和感)家族の話し合い数週間〜数か月
相談(入口)地域包括支援センター1日(電話相談)〜1週間
受診かかりつけ医→認知症専門医1〜2か月(初診予約待ち含む)
診断物忘れ外来等(MMSE・MRI等)1〜2か月
介護保険申請市区町村窓口30〜40日(認定まで)
サービス利用ケアマネジャー(ケアプラン作成)認定後すぐ

ここで注目すべきは、「気づき」から「サービス利用」まで、半年〜1年かかる のが標準だということです。

「すぐに何かが変わる」わけではありません。 ただし、動き出しの1か月で半年後の景色がだいぶ変わる ことは、経験者の声で繰り返し語られます。


詰みやすいポイント: 認知症対応で家族が崩れる場面

1. 兄弟姉妹で対応方針が割れる

最初に動き出す段階で、家族の意見が割れることが非常に多いです。

「まだ大丈夫」と言う兄弟。 「すぐ施設に入れるべき」と言う兄弟。 「自分は遠方だから動けない」と言う兄弟。 「お金は出さないが口は出す」兄弟。

ここで動けなくなると、本人の状態が進行してから対応することになります。

対策として、地域包括支援センターに「家族会議の場」を設けてもらう のが有効です。 プロが入ることで、感情的な対立が落ち着くケースが多いです。

2. 介護離職の判断を早まる

親の認知症が分かった瞬間に、「自分が仕事を辞めて介護する」と決めてしまうケースがあります。

ただ、認知症介護は 10年単位の長期戦 になることが多く、介護離職は経済的・心理的に持続困難になりやすい選択です。

国の方針も「介護離職ゼロ」を掲げており、介護休業制度・介護休暇・短時間勤務など、仕事を辞めずに続けるための制度 が整備されています。

辞める前に、地域包括支援センターと会社の人事に相談する順序が、後の振れ幅を抑えます。

3. お金の話を後回しにする

親の口座・年金・保険・不動産の管理は、認知症が進行する前に確認しておかないと、後で動けなくなります

判断能力が低下すると、本人名義の口座から引き出せなくなることがあります(銀行が認知症を察知した時点で口座凍結の対応が始まることも)。

成年後見制度・家族信託・代理人カードなど、早期に着手すれば選択肢が広い 領域です。

ここはお金の話というより、生活を回すための話として、初期段階で整理しておく必要があります。

4. 本人の運転免許

高齢の親が運転を続けているケースは、認知症の進行とともに重大な事故リスクが上がります。

「もう運転やめて」と言って素直にやめる人はほぼいません。 家族が説得するより、認知症の診断書・かかりつけ医からの助言・運転免許センターの臨時適性検査 といった第三者の介入のほうが、本人が納得しやすいケースが多いです。


「相談だけ」で動ける窓口

ここで強調したいのが、地域包括支援センターは 「相談だけ」で何度でも使える ということです。

電話して名前を名乗らなくてもいい。 具体的に動かなくても相談だけでいい。 家族の愚痴を聞いてもらってもいい。 本人を連れて行く必要もない。

「具体的に動く準備ができたら使うところ」ではなく、「動けないときに使うところ」 です。

ネット投稿でも、「地域包括に電話したら親身に話を聞いてくれて、それだけで救われた」という声が多くあります。

参考:


📖 関連毒親の正体 — 精神科医の診察室から毒親問題を精神科医視点で整理。罪悪感に苦しむ人に「自分を責めなくていい」と伝える本。

相談室の整理: 「病院」より「地域包括」から動く

親の認知症対応は、一人で抱える性質のものではありません

兄弟、配偶者、親本人、地域包括支援センター、かかりつけ医、認知症専門医、ケアマネジャー、介護サービス事業者。 最終的に、関わる人は10人を超えることが普通です。

その入口を、一人で背負わない順序で開く。 それが、地域包括支援センターから動き出すことの一番の意味だと思います。


📖 関連家族という病「家族は素晴らしい」という幻想を疑う一冊。家族関係に違和感を抱える人に。

このテーマで頼れる相談先

最終判断は専門家へ

親の認知症の入口で頼れる相談先

  • 親の住所地のセンターに電話または訪問。介護・医療・福祉の総合相談窓口。本人不在で家族だけの相談OK・無料・予約不要。

  • 公的機関認知症初期集中支援チーム(各市区町村)(参考)

    受診拒否ケースに自宅訪問。地域包括支援センター経由で接続できる。「病院」を使わずに専門職と本人を繋ぐ。

  • 要介護認定の申請窓口。申請から認定まで30〜40日。地域包括支援センター経由で代行申請も可。

  • 電話相談・つどい・家族会の運営。介護家族の精神的サポートと情報提供。電話0120-294-456。

  • 専門家(士業)かかりつけ医(参考)

    既往歴・服薬の確認、専門医への紹介状作成。普段から通っている内科等から始めるのが自然な入口。

  • 専門家(士業)認知症専門医・物忘れ外来(参考)

    鑑別診断(MMSE・MRI・血液検査等)。アルツハイマー型・血管性・レビー小体型などのタイプ判別。

  • 専門家(士業)ケアマネジャー(介護支援専門員)(参考)

    要介護認定後にケアプラン作成。デイサービス・訪問介護・ショートステイ等の利用調整。地域包括支援センターで紹介可。

当サイトは「相談前の整理」を担う情報メディアです。具体的な意思決定の前には、必ず該当領域の専門家・公的機関にご相談ください。


関連する悩みも整理しています

親の認知症は、介護、お金、家族関係、看取りとも繋がります。


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まとめ: 動き出しは「病院」より「電話一本」から

親の認知症対応は、最初の一歩のハードルが一番高いです。

本人は認めたくない。 兄弟の意見は割れる。 仕事は休めない。 お金の不安もある。 何から動けばいいか分からない。

でも、最初の一歩は 「親の住所地の地域包括支援センターに電話一本」 で大丈夫です。

無料、予約不要、家族だけでOK、本人不在でも相談できる、何度でも使える。

ここから動けば、次に何をすればいいか、プロが整理してくれます。

「病院に連れて行く」のは、その後でいい。 「介護保険申請」も、その後でいい。 「家族会議」も、プロを交えてからでいい。

入口で消耗しないこと。 これが、長期戦になりやすい認知症介護の、一番大事な始め方だと思います。


免責事項

この記事は、親の認知症の発症初期対応、地域包括支援センター、介護保険制度、認知症診断、家族の動き方等に関する公的・専門機関の情報とネット上の声の傾向を整理した一般的な情報です。 個別の医療判断、介護方針、薬の選択、施設選択、成年後見申立てを示すものではありません。 本人の急な意識障害・けが・徘徊・暴力・極端な体重減少・幻覚・自傷他害の兆候がある場合は、救急医療機関・110番・119番・地域包括支援センター・かかりつけ医にご相談ください。 介護家族のうつ症状・希死念慮・虐待リスク・介護うつ等の兆候がある場合は、よりそいホットライン 0120-279-338、精神保健福祉センター、心療内科等にご相談ください。

📚 この記事で気になった人へ — 本と映像のすすめ

相談室の整理だけでは足りない人向けに、関連する書籍と映像作品を置いておきます。

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