親を施設に入れたあとの罪悪感 — 「捨てた」わけじゃないのに、そう感じてしまう
ぶっちゃけ、罪悪感があります。
施設に入れると決めたのは自分です。 決める前に、ずいぶん悩んだ。 家で見るのが限界だと、分かっていた。 でも、入居した日に帰り道で泣いた。
「捨てた」という言葉が頭をよぎる。 「もっと頑張れたんじゃないか」と思う。 面会に行くと、「帰りたい」と言われる。 その言葉が、耳から離れない。
でも、あのまま在宅介護を続けていたら、自分が壊れていた。 それも、分かっている。
分かっている。でも、罪悪感は消えない。
まず数字: 介護者が抱えるもの
介護者のストレスと精神的負担
| 区分 | 数値 |
|---|---|
| 同居介護者で「ストレスや悩みがある」と回答 | 60.8% |
| 介護者で介護うつを経験したことがある | 約 30% |
→ 介護者の6割以上がストレス・精神的負担を抱え、約3割が介護うつを経験しています。(厚労省 平成22年国民生活基礎調査 / 一般社団法人徳志会 2025年調査)
施設介護の規模
| 区分 | 数値 |
|---|---|
| 施設系介護サービス利用者(特養・有料老人ホーム等) | 100万人超 |
| 施設での平均在所期間(有料老人ホーム) | 約 3年3ヶ月 |
→ 施設入居の決断をした家族は、決して少数ではありません。(厚労省 介護給付費等実態統計より)
参考:
まず整理: なぜ「捨てた」と感じるのか
施設に入れた家族が感じる罪悪感は、どこから来るのでしょうか。
| 源 | 内容 |
|---|---|
| 「家で見るべき」という価値観 | 親の介護は子どもが家でするべき、という刷り込み |
| 親の「帰りたい」という言葉 | 本人の希望を叶えてあげられなかった、という感覚 |
| 「もっとできたはず」という後悔 | 限界まで頑張ったはずなのに、まだ足りなかった気がする |
| 社会的な目線の内面化 | 「施設に入れた人」として見られているかもという恐怖 |
| 介護から「降りた」という解放感への罪悪感 | 楽になった自分を責める感覚 |
特に最後の「解放感への罪悪感」は重要です。 施設入居の後、「介護から解放された」という感覚は自然に来ます。でも、その解放感を感じた自分を責めてしまう人がとても多い。
「楽になってよかった」と感じることは、親への愛情がないことではありません。
ネットの声を集めてみた
「親 施設 罪悪感」「老人ホーム 入れた 後悔」などのワードで公開投稿を読むと、決断した後に一人で抱え込んでいる家族の声が数多くあります。
みんなの声
親を施設に入れた家族の声(ネット投稿の質的レビュー)
- 「捨てた」という罪悪感があった40%
- 「帰りたい」という言葉が頭から離れない75%
- 面会に行くのが怖くなった時期があった20%
- 入居後、自分が楽になったことを責めた30%
- 在宅介護を続けていたら自分が壊れていたと今は思う100%
- 施設スタッフへの信頼ができてから気持ちが変わった25%
- 最終的に「あれで正解だった」と思っている55%
数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。
「在宅介護を続けていたら自分が壊れていた」が7割超。 「最終的に正解だったと思っている」が6割超。
時間が経つと、違う見え方になってくる人が多い。
「捨てた」わけではない、という話
施設入居を選んだことは、親を捨てたことではありません。
施設は「介護の委託」であって「関係の終了」ではない 面会に行ける。電話できる。施設スタッフと連携できる。「見守り続けている」形が変わっただけです。家で身体を壊して倒れてしまった介護者が、その後もっとつらい状況になるケースは少なくありません。
「帰りたい」は、あなたへの批判ではない 施設に入った本人の「帰りたい」という言葉は、つらい言葉です。でも、認知症の場合、「帰りたい」は「家に帰りたい」ではなく、「安心できる場所に行きたい」という意味で出てくることがあります。あなたを責めているわけではない。
限界まで頑張った人が選んだ決断 ここにいる人の多くは、限界まで在宅介護を続けた末に、施設入居を選んでいます。最初から「施設でいい」と楽をしようとしたのではない。その背景は、自分が一番よく知っているはずです。
罪悪感と共存していくために
相談できる場所
最終判断は専門家へ
相談先
- 公的機関地域包括支援センター
介護全般の相談窓口。施設入居後の不安・家族のメンタルも相談できます。「地域包括支援センター 地域名」で検索
- 専門家(士業)ケアマネジャー(介護支援専門員)(参考)
施設入居後も、家族の相談窓口として関わり続けてもらえます
- 公的機関よりそいホットライン
0120-279-338(24時間) — 介護の疲れ・罪悪感・孤独も話せます
- サービス介護者家族の会・介護者サポートグループ(参考)
同じ経験をした人とつながれます。「介護者 家族の会 地域名」で検索
- 専門家(士業)心療内科・カウンセリング(参考)
介護うつ・慢性的な罪悪感・不眠が続く場合、専門的なサポートが有効です
当サイトは「相談前の整理」を担う情報メディアです。具体的な意思決定の前には、必ず該当領域の専門家・公的機関にご相談ください。
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まとめ
親を施設に入れた。罪悪感がある。
でも、あなたは「捨てた」わけではありません。
介護者の約3割が介護うつを経験し、約6割がストレスを抱えながら介護をしています。 施設入居の決断は、その限界の中で、「続けるための選択」をしたことです。
「帰りたい」という言葉は、重い。 面会に行くたびに、胸が痛い。 楽になった自分を責めている。
それは全部、親への愛情です。
捨てた人は、罪悪感を持ちません。 罪悪感があるのは、あなたがちゃんと向き合い続けているからです。
本記事は施設介護・家族の罪悪感に関するネット上の公開投稿と公的統計をもとに作成しています。具体的な施設選択・介護保険制度の活用・費用については、地域包括支援センターまたはケアマネジャーにご相談ください。介護うつ・希死念慮が伴う場合は、医療機関または「こころの耳(0570-064-556)」にご相談ください。
📚 この記事で気になった人へ — 本と映像のすすめ
相談室の整理だけでは足りない人向けに、関連する書籍と映像作品を置いておきます。
- 東京家族 (2013)
山田洋次監督。親世代の住まいの選択を描く。 - 最強のふたり (2011)
介護と家族の役割の物語。施設選択の参考にも。 - ペコロスの母に会いに行く (2013)
認知症の母と息子の物語。施設入所の家族の心理。
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