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投資詐欺にあう人は、本当に欲深いだけなのか

ぶっちゃけ、ニュースで投資詐欺の被害額を見て、「なぜ騙されるんだろう」と思ってしまった夜がある。

「SNS型投資詐欺で2,000万円被害」 「著名人になりすました偽広告に300万円」 「FX自動売買ツールで老後資金が消えた」

そういう見出しを見て、心のどこかで「自分は大丈夫」と思っている。 「欲を出さなければ騙されない」 「冷静に判断できる人間だ」

でも、被害者の体験を読むと、その多くは、最初から欲深かった人ではありません。 むしろ、不安や焦りで判断力が落ちた瞬間に、たまたま声をかけられた人たちです。

この記事は、被害者を笑うためでも、サービスへ誘導するためでもありません。 騙される直前の心の状態を見に行くことで、自分を守る視点を整理するためのものです。


まず数字: 投資詐欺の実態

指標数値出典
SNS型投資詐欺の被害件数(警察庁・2023年認知件数)2,271件警察庁 SNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数
同 被害総額(2023年)約277億円同上
1件あたり平均被害額約1,200万円同上(認知件数から逆算)
国民生活センターへの「もうけ話」相談(年間)数千件規模で推移国民生活センター 消費生活相談データ
被害者の年齢層50-70代が中心(ただし若年層も増加傾向)警察庁 認知データ

→ 1件あたり1,000万円超という被害額は、「お小遣いを失った」ではなく、老後資金・退職金・自宅売却金が一気に消える規模です。 これは「欲を出した」だけで説明できる規模ではありません。 人生の蓄え全部を出させる構造が、詐欺の側にあるということです。

→ 警察庁の認知件数は氷山の一角で、恥ずかしさから相談していない被害者が相当数いると推定されています。

→ なお上記は2023年(令和5年)時点の警察庁認知データです。SNS型投資詐欺の被害はその後も増加傾向にあり、最新の件数・被害額は警察庁の公表値をご確認ください。


「騙される直前」に、心はどんな状態か

被害者の体験談・カウンセラーの公開発信・国民生活センターの相談事例から共通して見えてくるのは、騙される直前の特定の心理状態です。

状態内容
不安老後資金が足りない、年金だけでは不安、子の教育費が重い
焦り同年代がみんな投資している気がする、自分だけ取り残されている
寂しさパートナーを亡くした、子が独立した、話し相手がいない
過去の損失を取り返したい気持ち株式・FX等で一度失敗した、その損を取り返したい
「自分は判断できる」自信仕事で長年判断してきた、自分は騙されない
親切な人への信頼親身に話を聞いてくれる人を、警戒し損ねる
高揚感初めて少額の利益が出たとき、判断力が落ちる

→ これらは、すべて「人として弱い」ことを意味しません。 むしろ、長く生きていれば、誰でも一度はこれらの状態に入るものです。 被害は、性格の問題ではなく、人生のタイミングと、声をかける側の手口の組み合わせで起きます。


詐欺の側が、構造的に使う「型」(知っておくだけで守れる範囲)

これは手口を詳細に書くと模倣可能になるため、知っておくべき「型」だけに留めます。

これらの「型」が複数重なって出てきたら、詐欺を強く疑い、その場で判断せず、第三者や相談窓口に確認した方が安全です。 「家族には言わないで」が出てきたら、それだけでも距離を取る合図です。


被害が深まる前後に、起きやすい反応

笑える話ではありません。公開されている相談事例や被害体験では、次のような反応がよく見られます。


ネットの声を集めてみた(公開発信・被害体験の質的傾向)

国民生活センターの相談事例・被害者向け支援団体の公開資料・X・noteで「投資詐欺 被害」「気づいた時 遅かった」「家族に言えない」関連の発信を質的にレビューしました。

公開されている国民生活センターの相談事例や被害者支援団体の発信では、次のような声が目立ちます。

公開されている相談事例の多くで、「最初から欲深かったわけではない」という語りが見られます。 そして、気づいたあとの「恥ずかしさで黙る時間」が、被害を拡大させる大きな要因として共通しています。


「自業自得」「欲を出したからだ」は、たぶん間違い

被害者を「欲深いから」「情弱だから」と判定するのは、簡単です。 でも、その判定が、次の被害者を黙らせます。

被害者が「恥ずかしいから言えない」状態のまま放置されると、

詐欺は、「欲」だけではなく、不安・孤独・焦り・寂しさにも入り込んできます。 誰でも、その状態に入る瞬間はあります。

騙された人を笑うのは簡単です。 でも、その笑いが、次の被害者を黙らせます。 自分も、いつかその状態に入るかもしれない、と思っておいたほうが、結果的に自分を守れます。


自分を守るための、最低限の習慣

「自分は大丈夫」と思っている人ほど、以下を習慣にしておくと、急なリスクから守られます。

お金を動かす前の3つの確認

  1. 「家族・信頼できる第三者に、必ず一度見せる」を、絶対の習慣にする

    • 「家族には言わないで」と言われた瞬間に、距離を取る
    • 配偶者・子・親しい友人など、誰か一人を「お金の判断パートナー」に決めておく
  2. 「投資のオファー」を聞いたら、一晩寝てから判断する

    • 「いまだけ」「先着」を言う相手とは取引しない、と決めておく
    • 急がせる相手は、ほぼ確実に怪しい
  3. 「元本保証」と「高利回り」が同時に成立する商品は、まず存在しないと覚えておく

    • 預金など元本が守られる商品の利回りは、ごく低いのが普通です
    • 「元本保証」と謳いながら「年利10%」「短期で2倍」を約束する話は、詐欺を強く疑ってください

日常の防御

自分の心理状態のチェック


もし、被害にあった/家族が被害にあった、と気づいたら

「恥ずかしいから黙る」が、一番被害を大きくします。 気づいた瞬間に、以下に連絡してください。

「自分が悪い」と思って黙る前に、まず電話してください。 早く相談するほど、被害を止められる選択肢が多いです。 被害金が全額戻ることは少ないですが、追加被害は止められます。


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まとめ

騙された人を笑うのは簡単です。 でも、詐欺は「欲」だけではなく、不安や孤独や焦りにも入り込んできます。 誰でも、その状態に入る瞬間はあります。

怪しいと思ったら、その場で決めない。 誰かに見せる。 お金を動かす前に、相談する。

それだけで、引き返せる場面はかなりあります。

「家族には言わないで」と言われた瞬間に、距離を取る。 「いまだけ」「先着」を言う相手とは取引しない。 「元本保証で高利回り」という話は、まず詐欺を疑う。

この3つを覚えておくだけで、たぶん相当な範囲を守れます。

そして、もし被害にあったり、家族の被害に気づいたりしたら、恥ずかしさで黙らないでください。 消費者ホットライン #188、警察相談 #9110。 早く相談するほど、選択肢が多いです。


本記事は投資詐欺に関する警察庁・消費者庁・国民生活センターの公開情報と、被害者支援団体・公開発信の質的傾向をもとに作成しています。医学的・法律的な診断ではありません。被害にあった場合の個別対応は、消費者ホットライン #188・警察相談 #9110・法テラス・弁護士等にご相談ください。

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