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実家じまい — 親が亡くなった後の家、どうした人が多いか

ぶっちゃけ、親が亡くなった後の実家って、家ではなく「思い出と手続きのかたまり」になります。

玄関を開けると、親の靴がまだある。冷蔵庫には、もう誰も食べない調味料が残っている。押し入れには布団、古いアルバム、使わない食器、贈答品のタオル。仏壇、位牌、通帳、保険証書、年金関係の書類、昔の写真。

「片付けないと」と思う。でも、手が止まる。

売るのか。貸すのか。誰かが住むのか。しばらく空き家にするのか。解体するのか。相続登記はどうするのか。きょうだいでどう分けるのか。仏壇やお墓はどうするのか。

実家じまいは、不動産の話に見えて、かなり感情の話です。

この記事では、「実家は早く売るべき」と決めつけません。逆に、「思い出があるなら残すべき」とも言いません。

公的情報とネット上の声をもとに、親が亡くなった後の家を、みんながどうしたのか。どこで詰まったのか。後悔を減らすには何を見るべきかを整理します。

結論を先に言うなら、実家じまいは「売るか残すか」の前に、まず分ける必要があります。

感情の整理。権利の整理。お金の整理。片付けの整理。近所・管理の整理。

この5つです。


まず数字: 実家じまいにかかる費用の相場

実家じまいは「家の話」に見えて、実際は費用の話でもあります。感情の前に、まずいくらかかるのかをざっくり把握しておくと、家族で話すときに落ち着いて検討しやすくなります。

実家じまいの主な費用項目(全国平均)

項目費用目安
遺品整理(2LDK〜3LDK)約 20〜50万円
不用品処分・粗大ごみ約 5〜15万円
ハウスクリーニング約 5〜15万円
解体工事(木造30坪)約 100〜180万円
解体工事(鉄骨30坪)約 150〜250万円
解体工事(RC30坪)約 200〜350万円
仏壇・神棚処分(閉眼供養込)約 3〜10万円
名義変更・相続登記約 5〜15万円(司法書士費用込)
不動産仲介手数料(売却時)売価×3%+6万円+消費税

解体費は構造で大きく変わります。木造に比べて鉄骨は1.5倍前後、RC造は2倍前後になりやすく、同じ30坪でも100万円台後半から300万円超まで開きが出ることがあります。

古い木造一戸建てなら片付け+解体で200万円前後、鉄骨やRCだと300〜400万円規模になることもある、という肌感です。

売却までの期間と価格(地方圏)

物件タイプ平均成約期間平均売却価格(築30年想定)
都市部マンション約 3〜6ヶ月約 2,000〜4,000万円
郊外戸建て約 6〜12ヶ月約 500〜1,500万円
地方戸建て約 12〜24ヶ月約 100〜500万円
過疎地戸建て売れない/解体前提ほぼ無価値〜マイナス

地方ほど売れにくく、時間もかかります。「売れば現金になる」と期待していたら、解体費のほうが上回って手出しになった、というケースも珍しくありません。実家がどのカテゴリに入りそうか、最初に地元の不動産会社や空き家バンクで温度感を聞いておくと、その後の選択肢が変わってきます。

空き家3000万円特別控除(令和9年12月31日まで延長)

相続した実家を売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3000万円を控除できる制度があります。期限は令和9年(2027年)12月31日まで延長されています。「売るかどうか迷っている」「解体してから売るか古家付きで売るか悩んでいる」段階でも、この控除が使えるかどうかで手取りが大きく変わるので、税理士や不動産会社に早めに確認しておくと損が少なそうです。

全国の空き家数(総務省「住宅・土地統計調査」)

実家じまいで悩んでいるのは、自分だけではありません。20年で1.5倍に増えている問題で、自治体や国も少しずつ制度を整えてきています。焦って判断する前に、使える制度があるかを確認するだけでも、選択肢は広がります。

参考:


📖 関連親が認知症になる前に話しておきたいお金のことFPによる実家じまいに絡む費用・相続・税金の整理。

まず現実: 空き家はもう他人事ではない

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、2023年時点の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高とされています。

つまり、親が亡くなった後に実家をどうするかは、珍しい悩みではありません。

さらに、法務省は2024年4月1日から相続登記が義務化されたと案内しています。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記申請をする必要があり、正当な理由なく申請しない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

つまり、実家は「そのうち考える」では済みにくくなっています。

参考:


実家じまいで最初に起きるのは「片付けられない」問題

親の服、食器、布団、家具、アルバム、手紙、年賀状、賞状、古い家電、農機具、工具、仏壇、神棚、子どものころの作品、何十年分の書類。

捨てるたびに、親を消しているような気持ちになる。

実家じまいが進まない理由は、怠けているからではありません。家の中に、家族の歴史が詰まりすぎているからです。


ネットの声を集めてみた: 実家じまいで詰まるのは「売却」より前

みんなの声

50〜70代「実家じまいで最初に詰まったこと」(ネット投稿の質的レビュー・複数回答)

  • 親の物を捨てられず片付けが進まない100%
  • きょうだいで売る・残すの意見が割れた75%
  • 解体費・修繕費・固定資産税が重い55%
  • 相続登記や名義変更が分からない40%
  • 売りたくても買い手が見つからない30%
  • 仏壇・墓・位牌の扱いで止まった25%
  • 近所から草木や老朽化を心配された20%

数値は割合ではなく、相対的な言及頻度のランキングを示しています。これは公開投稿の質的傾向把握であり、統計調査ではありません。

出典:編集部質的レビュー: Yahoo!知恵袋・発言小町・X・空き家相談系投稿の傾向整理 (2024-2026)

実家じまいは「不動産処分」だけではありません。感情、荷物、相続、きょうだい、費用、近所、仏壇、お墓——全部がつながっています。


📖 関連親が認知症になる前に話しておきたいお金のことFPによる実家じまいに絡む費用・相続・税金の整理。

親が亡くなった後の実家、どうした人が多いか

  1. 売却する — 固定資産税や管理負担がなくなる。一方で、安く買いたたかれる不安や、地方では売れにくいことも。
  2. 賃貸に出す — 修繕や管理が必要。「貸せば収入」と簡単に考えると赤字になることも。
  3. 誰かが住む — 他の相続人との公平感が問題に。
  4. しばらく空き家管理する — 管理にもコストがある。
  5. 解体する — 解体費+住宅用地特例外れによる固定資産税変化に注意。

📖 関連親の家を片づける実家整理の段取りと業者選びのガイド。何から手をつけるかの地図に。

空き家を放置すると何が問題になるのか

問題起きやすいこと
建物劣化雨漏り、腐食、カビ、シロアリ、倒壊リスク
近所迷惑雑草、害虫、落下物、不法投棄、防犯不安
費用負担固定資産税、保険、修繕費、管理費、交通費
売却困難劣化が進み、買い手がつきにくくなる
相続複雑化次の相続で相続人が増え、合意形成が難しくなる
行政対応管理不全空家・特定空家等として指導等の対象になる可能性

📖 関連親が認知症になる前に話しておきたいお金のことFPによる実家じまいに絡む費用・相続・税金の整理。

相続登記を後回しにしない

相続登記は2024年4月1日から義務化されています。きょうだいで実家の扱いが決まらない場合も、法務局や司法書士に相談して、どのような対応が必要か確認したほうが安全です。


📖 関連親の家を片づける実家整理の段取りと業者選びのガイド。何から手をつけるかの地図に。

相談室の整理: 実家じまいは「売るか残すか」より先に5つの棚卸しがよさそうです


克服のリアル: 実家を手放しても、親を手放すわけではない

実家を残せない事情はあります。遠方、老朽化、お金、きょうだいの事情、空き家リスク、次世代への負担。

家を手放しても、親との記憶が消えるわけではありません。

写真を残す、アルバムをデータ化する、家具の一部を引き取る、庭の木の写真を撮る、家の中を動画に残す、親のレシピや手紙を残す、命日に家族で話す——形を変えて残すことはできます。


📖 関連親の家を片づける実家整理の段取りと業者選びのガイド。何から手をつけるかの地図に。

このテーマで頼れる相談先

最終判断は専門家へ

実家じまい・空き家・相続不動産で頼れる相談先

  • 専門家(士業)司法書士(参考)

    相続登記、不動産名義変更、共有名義、遺産分割協議書などを確認したいとき。

  • 専門家(士業)税理士(参考)

    相続税、譲渡所得税、空き家の譲渡所得の特例、固定資産税、贈与など税金面を確認したいとき。

  • サービス不動産会社(参考)

    売却査定、賃貸可能性、土地活用、解体して売るか古家付きで売るかを相談したいとき。

  • サービス遺品整理業者・片付け業者(参考)

    家財整理、貴重品探索、処分、仏壇や大型家具の扱いなど、自力で片付けが難しいとき。

  • 公的機関自治体の空き家相談窓口(参考)

    空き家管理、解体補助、空き家バンク、近隣対応、特定空家等の制度について確認したいとき。

  • 全国版空き家・空き地バンクや自治体の空き家情報を確認したいとき。

  • 専門家(士業)弁護士(参考)

    きょうだい間で実家の扱いが揉めている、共有名義、売却反対、費用負担、相続争いがあるとき。

当サイトは「相談前の整理」を担う情報メディアです。具体的な意思決定の前には、必ず該当領域の専門家・公的機関にご相談ください。


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まとめ: 実家じまいは、家を処分する話ではなく「親の後ろ姿を片付ける話」

実家じまいは、しんどいです。これは、不動産の話だけではありません。親が生きていた場所を、どう終わらせるか。自分の子ども時代を、どうしまうか。残された家族が、どう現実に戻るか——そういう話です。

感情はゆっくりでいい。でも、情報だけは集める。

実家を手放しても、親を手放すわけではありません。全部を残せなくても、残せるものはあります。

実家じまいは、親の後ろ姿を片付ける作業です。泣きながらでも、少しずつでいいのだと思います。


免責事項

この記事は、実家じまい、空き家、相続不動産、相続登記、売却、賃貸、解体、遺品整理、仏壇・墓、きょうだい間の調整に関する公的・公開情報とネット上の声の傾向を整理した一般的な情報です。 個別の法的判断、税務判断、不動産売却判断、相続登記、解体、空き家管理、契約判断を示すものではありません。 相続登記、不動産名義変更、相続税、譲渡所得税、共有名義、売却、賃貸、解体、空き家管理については、司法書士、税理士、不動産会社、自治体、弁護士等に相談してください。

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  • お盆の弟 (2015)
    地方の盆と家と兄弟のリアル。実家じまいの感情面の参考に。
  • 東京家族 (2013)
    山田洋次監督。実家と親世代を扱う。
  • 歩いても 歩いても (2008)
    是枝裕和監督。実家への帰省1日の家族の機微。
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